都会暮らしの女性と滝沢の関係人口増のキーパーソン!?川崎から滝沢のりんご農家に嫁入りした小山田絢子さん 「滝沢暮らしはカッコイイ!」を発信したい
「一生、緑に囲まれ土にふれて生きていきたい」という“人生のテーマ”を抱き続けていた絢子さんが、その想いを叶えることになったのは滝沢市の小山田果樹園への嫁入り。都会から嫁いだ彼女が見る滝沢の魅力と新たな夢とは?
一生、緑に囲まれ土にふれて生きていきたい
りんごストリートがある元村地区に暮らす小山田絢子さんは、三年前に川崎市から小山田果樹園(屋号はまる三)に嫁いできた。絢子さんは短大までを川崎市で過ごす。中高短大までの一貫教育の学校に入り、授業の一環で園芸科目があったことから、園芸に興味を持った。将来はガーデンデザイナーになりたい。イギリスで勉強したい。」という想いを持ちながら、短大卒業後は雑誌「趣味の園芸」の編集部でアルバイトをしていたが、「日本とイギリスでの環境が違うと花の育て方も違うから留学はどうなのか。」という友人からの意見もあり、「大学で勉強しよう」と方向転換。大学の研究室の手伝いをしているときの先生から勧められたのが岩手大学だった。
実際に大学を訪れた際に、「都会とは違って緑がいっぱい!都会の大学だとフィールドワークは離れたところへ出向かなければいけないけど、ここなら自然も多いし、学内に圃場もある。いつでも土に触れられると思った。」と、岩手大学への編入学を決め、大学院まで進んだ。
卒業後は、岩手での就職も考えたが、希望が叶う就職先がなく、埼玉にある種苗会社へ。岩手を離れた後も大学時代の友人たちとは年に2回ほど集まり、スノーボードをしたり北上川の川下り大会にチャレンジしたりと交友関係が続いていた。その仲間の一人だった現在の夫である知広さんに結婚を前提とした交際を申し込まれた。短大時代にガーデン研修をしている際に「私は一生緑に囲まれて土に触れて生活していきたい。」という想いを抱き、“人生のテーマ”としてその想いを持ち続けていた絢子さんは、「農家の嫁…ある意味、その想いが叶うかも。」と考え、交際スタート。
32歳で小山田果樹園に嫁いだ。
日常で感じる岩手山と人のあたたかさ
滝沢市の中でも特にりんご園栽培が盛んな元村地区。小山田果樹園は、三町歩半の畑でおよそ30種類のりんごと洋梨約10種類を中心に栽培し、周辺の産直での販売や贈答用の注文を受けている。
畑ではりんごの木の間から岩手山が見える。「常に山が見られる日常。すごくいい景色があることが当たり前。地元の人たちの岩手山に対する愛着ってすごいですよね。“私たちの岩手山”みたいな。」と日常に垣間見られる滝沢暮らしの魅力を語る。また、「忙しく、時間も心の余裕もない都会の人たちと違って、人の優しさを感じる。」と人柄も魅力のひとつだという。
昨年、長男が生まれ、「子どもを連れて出かけると、必ず声をかけられる。都会ではないこと。」とますます人の優しさやあたたかさにふれる機会も多くなった。

小山田果樹園から見える岩手山。りんごの花が咲く時期にお花見会。絢子さんが得意のお菓子や家族で作ったという料理が並び、こだわりのりんごで作ったジュースでカンパイ!特別な場所で特別な時間が過ごせることも、発信したい滝沢の魅力のひとつ。(菅原撮影)
「滝沢暮らしがカッコイイ!」を発信したい
そんな滝沢の魅力を「みんなに、世界中に伝えたい!」という。「滝沢は盛岡のすぐ隣で田舎と都会の距離感がちょうどいい。買い物できる場所や病院など、日常生活に困らない、むしろ便利なくらいだけど、スキー場やキャンプ場など自然と触れ合えるフィールドに近いのがいい。」そのことを都会で暮らす友人に話したり、友人が遊びに来た際には地元を案内したりしている中で、「滝沢に住んでるのって楽しそう!って思ってもらいたい。都会で暮らす人が田舎暮らしに憧れるという声も多く聞こえてくるようになった今、滝沢暮らしがカッコイイ!を発信したかった。」と、地域でコミュニティをつくりたいと思い始めた。
ちょうどその頃に、地元の集落センターで「自分が暮らす地域を知ろう、まちづくりを考えよう」といった会があったことを松森木工所代表の松森政仁さんのフェイスブック投稿で偶然に見た。すぐに連絡し、自分の想いをプレゼン。仲間として活動に加わり、滝沢りんごジュース販売にチャレンジしたり、りんご園の後継者問題やこれから滝沢を盛り上げるためにやってみたいことについて語り合ったりするようになった。
また、小山田果樹園のインスタアカウントをつくり、果樹園のPRを中心に得意の料理などを発信。そこから、昔の知人からりんごを買いたいという連絡やパティシエから果樹園を見学したいという連絡が入ることも。遠くは、高知県のチョコレートショップで小山田果樹園の洋梨が商品に使われるきっかけになったりと、自ら発信することで、小山田果樹園ファンを増やしている。

松森さんを通じて出会った仲間との滝沢リンゴジュース販売チャレンジの様子。「私、適応力高いと思うんですよ。環境に対しても人に対しても。ピンときたことをタイミングよくキャッチする能力も高いかも。」とちょっと得意気に話す絢子さん。それらの力を生かして、地域の同世代とつながり、交流を楽しんでいる。 (菅原撮影)
マイホームが地元の交流拠点のひとつになれば
もうすぐ果樹園の一角に新居を構える。「都会で暮らす友人たちだけでなく、地域の人が集まってお料理をしたりお茶っこをしたりと、みんなが集まれる場所にしたい。この地を訪れる人たちの旅の拠点もいいかな。地元の交流拠点のひとつとして、滝沢市内外のつながりができる場になれば。自分たちが、訪れた人たちが楽しんでいることを発信して、滝沢暮らしの魅力を伝えたい。」と夢を語る。
地元民ではなかなか気が付かない、「地元民の当たり前が当たり前じゃないこと」、「それって珍しい!素晴らしい!おもしろい!カッコイイ!!」と、いい意味での“ヨソモノ視点”で見た滝沢市の魅力を発信できる絢子さんは、これからの滝沢市と都会の関係人口、さらには移住者を増やすキーパーソンとなる存在なのかもしれない。「滝沢ファンを増やしたい!」と意気込む絢子さんの今後の活動と発信に注目したい。

「育てて収穫して加工して食べるという過程が好き。というか食べることがとにかく好き!」という絢子さんは料理が得意。写真は、新たに仲間と始めた、農業と食を楽しむ女性の会でキムチづくりを教えている一コマ。「子どもカフェにもチャレンジしたい。」という。(菅原撮影)

